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金沢大学附属病院 精神科 私の抱負 三邉教授

平成二十九年度 巻頭言


同窓会会長・金沢大学教授 三邉義雄


同窓会会員の皆様にはいよいよご清栄、ご健勝のこととお慶び申しあげます。
平成28年は、私が金沢大学に教官としてお世話になりまして、11年目の年でございました。宝町キャンパスの大リニューアルも、いよいよ完成でございます。リニューアル工事の影響で、大学病院受診の車で石引通りは大渋滞の有様でしたが、今となってはなつかしい思い出です。そして、いよいよ新宝町キャンパス落成ですので、今年から同窓会誌の表紙も一変致しましたが、いかがでしょうか? 会員の皆様の、平素の御助力御支援に対し、誌上にて改めて心よりお礼申しあげます。主任教授の最大の務めとしては、主に臨床のための人材と主に研究のための資金の獲得、さらにそれらに支えられた医学教育の充実であることを引き続き肝に銘じ、定年までの残り2年間を一層精進致したいと思います。
今回は、本号に特集記事もありますが、総合病院精神科の勧めを書きたいと思います。私が総合病院精神科の魅力に取りつかれたのは、約15年前に浜松医大精神科に常勤勤務していた時、静岡県磐田市立総合病院精神科に非常勤勤務した時でした。改めて、精神科医として、とてもやりがいを感じました。その頃の、院内誌への寄稿文を載せて、今年の巻頭言としたいと思います。医療状況は現在もほぼ同じですが、さらに高齢化が進み、身体疾患における精神科対応(リエゾン精神科医療)が益々重要となっています。現在は基幹総合病院においてのリエゾン精神科医療は、その一翼を担うばかりでなく、その必要不可欠要素となっています。私は、21世紀の精神科医療のキーワードは、総合医療の中の精神科医療と考えています。総合病院精神科医療は、その中核を担うものとして、今後の発展を大いに期待しています。

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静岡県磐田市立総合病院院内誌(道しるべ)への、私の寄稿文(平成16年)

当院の精神科は、浜松医科大学精神科非常勤医師、および同臨床心理士により外来診察のみ運営されています。火曜日から金曜日の午後1時から4時まで診察を受け付けています。しかし患者様の増加により、特に新患患者様の多い時などは、診察時間は夜7時を過ぎることもしばしばです。平成16年度の総患者数は1か月平均にすると約460名、1日平均にすると約27名です。できればお1人の患者様に最低15分の時間を割きたいのは、精神科医に共通した願いであり良心であるのですが、現在の診察時間からはとても不可能です。結果、十分な診察時間を取れず、忸怩(じくじ)たる思いをする時もしばしばです。次善の策として、病状の良くない方に集中的に時間を割き、安定している方にはその旨を御説明し短時間で御容赦願っているのが現状です。
総合病院精神科ということで、病名はうつ病、不安神経症(パニック障害)、睡眠障害がほとんどをしめ、統合失調症の患者様は単科精神科から比べればかなりの少数です。さらに、他科の入院患者様の診察依頼で多いのはせん妄の治療です。うつ病については、10人に1人という非常に多い疾患で病状が深刻である場合も多いのですが、幸いなことに最近の治療の進歩で、ほとんどの方が1〜2週間の薬物療法で快方に向かいます。治療反応が鈍い時には、積極的に入院(休息入院)を勧めます。うつ病の方には、安心して休養を取れる環境作りが、薬物療法と並び非常に重要なことだからです。
磐田市立総合病院には入院設備がないので、近隣の菊川市立総合病院、浜松医大付属病院、聖隷三方原病院に入院をお願いしており、いずれの病院とも連携は非常にうまくいっております。不安神経症、睡眠障害も、多くの方は速やかに回復されます。外来通院で、特に思春期の患者様など薬よりカウンセリングが必要な場合は、臨床心理士が担当して行っています。臨床心理士は、その他各種の心理検査も担当しています。一方、長寿時代に入り、御高齢の方で認知症以外の精神症状をお持ちの方も増えています。70代、80代の患者様のお話を伺っていますと、人生の大先輩として学ぶことも多く、まさに“市井に偉人有り”の感を抱くこともしばしばです。逆に若い患者様には、こちらが人生の先輩として、
できる範囲で応援したいと思っています。さらに、改めて家族を中心とする人間関係の絆の大切さを、患者様やその御家族から学ばせて頂いています。

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最後に、会員の皆様の一層の御活躍御健勝をお祈り申し上げ、今年の巻頭言とさせて頂きました。本年も、引き続き、どうぞよろしくお願い申し上げます。





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